大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和45(あ)2341 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人原田香留夫、同阿左美信義、同高村是懿、同相良勝美、同高野孝治の上告

趣意第一点および第二点について。

所論のうち、憲法二一条違反をいう点は、憲法二一条は、絶対無制限の言論の自

由を保障しているのではなく、公共の福祉のためにその時、所、方法等につき合理

的制限のおのずから存することは、これを容認するものと考うべきであるから、た

とい思想を外部に発表するための手段であつても、その手段が他人の財産権、管理

権を不当に害するごときものは、もとより許されない。したがつて、軽犯罪法一条

三三号前段の規定する程度の規制は、公共の福祉のため、表現の自由に対し許され

た必要かつ合理的な規制であつて、右法条を憲法二一条に違反するものということ

ができないことは、当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第二五九一号同二五年九月

二七日大法廷判決刑集四巻九号一七九七頁、昭和二八年(あ)第三一四七号同三〇

年四月六日大法廷判決刑集九巻四号八一九頁、昭和四二年(あ)第一六二六号同四

五年六月一七日大法廷判決刑集二四巻六号二八〇頁)とするところであり、右と同

趣旨に出た原判決の判断は正当であつて、論旨は理由がない。また憲法三一条違反

をいう点は、原審でなんら主張、判断を経ていない事項に関する違憲の主張であり、

その余は、単なる法令違反の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。

同第三点について。

所論は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和四六年七月二三日

- 1 -

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 村 上 朝 一

裁判官 色 川 幸 太 郎

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 小 川 信 雄

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!